2020年6月28日 礼拝説教要旨

 ローマ訪問の願い 

三好 晴夫 牧師

ロ-マ信徒への手紙 第1章16-17節

主題聖句:あなたがたのところで、あなたがたとわたしが互いに持っている信仰によって、励まし合いたいのです。

ローマの信徒への手紙第1章12節

 

手紙の最初の挨拶を書き終えたパウロが、いよいよローマの信徒への手紙を書くのかについて書き始めています。それは、ローマの町に教会(信仰の共同体)があることを知ったので、ぜひともその教会の人たちを訪ねて行き良き交わりを持ちたいと願っているからです。

 

なぜパウロはローマの教会の人たちに会いたいのかと言うと、それは「“霊”の賜物をいくらかでも分け与えて、力になりたいからです。」

 

「霊の賜物」は、ローマ12章6節以下を見ますと、「預言の賜物」「奉仕の賜物」、教え、勧め、施し、指導などの賜物のことで、神の恵みによって授けられるものです。この賜物は祈って頂くだけでよさそうに思えますが、パウロは、この霊の賜物をローマの教会の人たちにいくらかでも分け与えるために、自分自身が出かけて行って直接人格的に触れ合うことで授けたいというのです。そうして彼らの信仰が力づけられるようにしてあげたいと願っているのです。そのことを言い換えると「あなたがたのところで、あなたがたとわたしが互いに持っている信仰によって励まし合いたいのです。」ということです。お互いに与えられている信仰と賜物を分け合って励まし合いたいと願っているのです。私たちも、この姿勢に見習い、自分の受けた信仰を持ち寄り、互いに支え合って歩もう。

2020年6月21日 礼拝説教要旨

 信仰による従順へ 

三好 晴夫 牧師

ローマの信徒への手紙 第1章1-7節

 

主題聖句:わたしたちはこの方により、その御名を広めてすべての異邦人を信仰による従順へと導くために、恵みを受けて使徒とされました。

            ローマの信徒への手紙第1章5節

 

パウロがこの手紙を書いたのは、ローマの教会の人たちと真実な交わりを持ちたいと願ったからでした。それで、彼らと共通に理解し合える言葉を持って書き出しています。そのような共通に理解し合える言葉で福音の内容を書いたのです。それが御子、主イエス・キリストです。

 

次に書いたのが、パウロ自身とローマの教会の人たちとの共通の信仰についてです。「召されて」使徒とされた、「召されて」信じる者とされたという、「召されて」という信仰です。これは、聖霊の働きによって、福音の言葉を聞いて自分の罪を自覚し、キリストを知り、キリストを受け入れるようになっていくという信仰です。

 

その上で、パウロは、自分がすべての人に福音を告げ知らせるのは、「御名を広めてすべての異邦人を信仰による従順へと導くために」であると言います。すべての人が「信仰による従順」へと導かれることが、宣教の目的であるのです。信仰は、キリストの福音を聞くことによって呼び起こされます。神の言葉が伝えられて、人々に神の意志が知らされて、人々が聞いて、恵みを受け入れて信じることが始まります。信仰は私たちを罪から解放し、私たちをキリストへの従順に導くのです。まずは、私たちも、キリストの福音の言葉を聞き、信仰へと導かれたい。

2020年6月14日 礼拝説教要旨

 福音とは何か

三好 晴夫 牧師

ローマの信徒への手紙 第1章1-7節

         

主題聖句:この福音は、神が既に聖書の中で預言者を通して約束されたもので、御子に関するものです。  

 ローマの信徒への手紙第1章2節

 

「ローマの信徒への手紙」は差出人パウロの自己紹介から始まり、その後、受取人への挨拶の言葉と続くはずです。ところが、2~6節に長い説明の文が入っています。それは、福音の説明です。1節でパウロ自身が「神の福音のために選び出され」と記したので、福音の内容を説明せずにはおれなくなったのでしょう。それほどに、パウロには、自分を支えているのは、福音だという思いがあったからです。その福音をまず説明せずにはおれないのでしょう。

 

それでパウロは、福音を説明しようとして書き始めるのですが、ここでは要約です。しかも、パウロの独特の言い方ではなく、当時の教会の共通の信仰の告白でまとめられています。そうするのは、パウロとしては、自分が設立した教会ではなく、しかもまだ一度も会ったこともない教会の人たちと真実な関わりをしようと思うならば、まずは共通の信仰告白の言葉で言い表した方が良いと思ったのでしょう。まずは福音を語らなければならないと思ったのです。そのようにして福音を語り合うことによってローマの教会の人たちと真実な交わりを持ちたいと思ったのです。真実な交わりは福音によることが分かっていたのです。

 

パウロの伝える福音は、神が既に預言者たちを通して約束として語り続けられて実現したものであり、御子イエス・キリストの救いです。

 

2020年6月7日 礼拝説教要旨

  キリスト・イエスの僕 

三好 晴夫 牧師 

ローマの信徒への手紙 第1章1-7節

主題聖句:キリスト・イエスの僕、神の福音のために選び出され、召されて使徒となったパウロから、――   

ローマの信徒への手紙第1章1節

 

今日から、使徒パウロの書いた「ローマの信徒への手紙」を読んで行きます。皆さんはこの手紙を読んだことがあるでしょうか。初めて読んだとき「分かりにくい」と感じた人が多い。でも数節を読むだけで、よく分からないけれども、何か大切なことを自分は今聞いている、ということが分かってきます。もっと分かりたい、読み通したいと思わせる。でも、読み進めるのは、そう簡単ではありません。なぜかと言うと、この手紙には、パウロの信じ伝えたキリストの福音がまとめられた形で凝縮して記されているからです。福音の筋道がきちんと書いてあります。その中心的な言葉が、1章16節「福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシア人にも、信じる者すべてに救いをもたらす神の力だからです。」。私たちも、救いをもたらす福音の力を頂きたいものです。

 

今日はその第1回目として、この手紙の差出人パウロの記す自己紹介に注目したい。パウロは自分のことを、「キリスト・イエスの僕」と言いました。「キリスト・イエス」とは、2千年前、ベツレヘムでおとめマリアより生れ、神の国の福音を伝え、人類の罪を贖うために十字架に付けられ死なれ、復活され今天の父のもとに帰られたお方です。この方を真の救い主と信じ、心から仕えている者であると自分を意識した言い方です。この認識は、主イエスの救いを受けている人々皆の思いです。