2014年10月26日 礼拝説教要旨

政所 邦明 牧師

 

種をまく人

 

マルコによる福音書 第4章1-20節

 

主題聖句:「良い土地に蒔かれたものとは、み言葉を聞いて受け入れる人たちであり、…」             

マルコによる福音書 第4章20

                                    

マルコによる福音書を読み始めて、主イエスのなさった説教をまとめて書いてあるところはありませんでした。しかし、この4章からは内容が詳しく記されています。その教え方の特徴が「たとえ」です。「…多くのたとえでみ言葉を語られた。たとえを用いずに語ることはなかったが…」(第4章34節)この後にこのように出てきます。主イエスの用いられた説教の形式がすべていわゆる〝喩え話〟であったとは考えにくいのです。

 

「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言って主イエスは宣教を開始されました。伝えたい内容の中心点は「神の国」あるいは「福音」であるはずです。その内容を伝えるのにもっとも適している語り方として「たとえ」を主イエスが用いられたということでしょう。

 

「たとえ」は旧約聖書以来「知恵の言葉」あるいは「謎」と考えられてきました。ある意味隠されているのです。カプセル状のお薬のように、中味は外界からは隔てられています。主イエスの教えを聞いて受け入れ、決断して従う時にはじめて真価を発揮します。神のご支配は外側から眺めているだけではわかりません。信じて従ってみた結果、「なるほど、神さまが自分を捕まえくださっていたんだ」と、後から体験的に納得するものなのです。

 

「たとえ」は〝両刃の剣〟です。聞く人が心を閉ざして、真理の中に飛び込もうとしなければ、殻の中に閉じ込められた〝神の国の奥義〟が聞くものに届きません。だから「聞き方に注意せよ」と主イエスは言われるのです。弟子には神の国の秘密が打ち明けられています。聞き方によるのです。

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