2016年2月14日 礼拝説教要旨

 葬りの備え

政所 邦明 牧師

マルコによる福音書 第14章1-11節

主題聖句: 「この人はできるかぎりのことをした。つまり、前もってわたしの体に香油を注ぎ、埋葬の準備をしてくれた。」 

マルコ福音書 第14章8節 

 

過越祭が近づいておりました。祭司長たちは主イエス様を殺そうと機会を狙っています。この方に危険が迫ります。緊迫さがじょじょに増していくのです。そのような祭りの近い食卓で、香油注ぎが起こりました。

 

一人の女性が、香油の壺を壊し、主イエス様の頭にその一部を注ぎかけます。だれも止める暇もなく、無言で、やり遂げました。壺からこぼれた香油が床のあたり一面に広がります。少しだけならともかく、こんなに多量であれば、芳しいはずの香油も、その匂いがかえって鼻を強く刺激したことでしょう。食卓にはふさわしくない異様な光景でした。

 

しかし、主イエス様はこの女のするとおりにさせられます。さらに、上記の最大級のお言葉をもってこの人をお褒めになりました。しゃべらなかったのに、行為によって、婦人は自分の信仰をよく物語ったのです。

 

フィリポ・カイサリアで「あなたは、メシアです」とペトロが主イエス様に告白して以来、3度も、ご自分の苦難と死、復活を弟子たちに予告してこられました。ところが、誠実に、その意味を弟子たちは受け取ろうとしません。どこか避けています。しかし、この婦人は十字架の死こそ、自分たちの救いに関わっていることを知っておりました。だから早々と自分の精一杯の感謝を十字架に向かおうとされる主イエス様に捧げたのです。

 

金や銀ではなく、ご自分の血をもって救ってくださった主イエス様の死(埋葬)に、ほかのなにものにも代えがたい大きな価値をこの婦人は見出しました。だからこそ、そのご愛にできるかぎり応えようとしたのです。

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